こんにちは!バリ島大好きのWebライターKunyです。バリ島大好きすぎて現地ホテルでも働いたことがあります。当然、現地でビジネスを始めることにも憧れていました。
私はバリ移住の経験があっても、現地ビジネスをするとなると「言葉の面で騙されそう…、人に全て任せるのは…」など、いまだに不安だらけです。
そこで今回は、バリ島で商品を企画・製造し、現地で直営店を開業したBALIISM(バリイズム)の創業者・長谷川さんの店舗開業ストーリーをインタビューしました。
この記事が商品の魅力や理念と共に、現地雇用や現地ビジネスを検討中の方々や海外で働くことのご参考になれば幸いです。
BALIISM(バリイズム)とは
2015年インドネシア・バリ島で設立されたサステナブルな商品を企画・製造販売している製造メーカーです。
持続可能な生活を楽しく取り組めるよう、環境に配慮した素材を使用しています。バンブー製のストローやカトラリー、ラタン製の家具などの商品があります。「良いものを長く使ってもらおう」を理念に、心を込めて1つ1つ丁寧に商品が作られています。
創業者について
創業者は長谷川 真之(バリ名:I GUDE MASAYUKI H.)さんです。プロフィールを表にまとめてみました。
生まれた年 | 1988年 |
出身地 | 埼玉県 |
居住地 | バリ島と日本の2拠点生活 |
学歴 | 大学で工業デザイン専攻 |
大学卒業後のキャリア | 製造メーカーのプロダクトデザイナー |
留学経験 | 中学でオーストラリアにホームステイ 有給休暇でバリ島英語短期留学 退職後にバリ島で英語長期留学 |
バリ島・現地会社BALIISM設立 | 2015年 ラタンを使ったインテリア製品の企画製造 |
日本法人・BALIISM Japan(株)設立 | 2016年 バリ島で製造した商品の輸入、サポート業 |
バリ島・現地直営店開業 | 2023年 |
その他活動 | 美術系大学の非常勤講師、環境教育活動 |
宗教 | 2016年 結婚を機にバリヒンドゥー教に改宗 |
はじめてお話した印象は、非常におだやか。バリ島愛がとても強く、まろやかな口調でバリ島のお話をたくさん話してくださいます。「バリ島のすばらしさを知って欲しい」そんな気持ちが、製品と会社に込められているのを感じました。
創業者の長谷川さんにきいてみた
バリ島での商品づくりのきっかけや、ウブドの直営店の店舗開業までの道のりをきいてみました。
なぜバリ島で商品づくりを?
バリ島での英語留学がきっかけで、バリ島が自分の居場所だと確信しました。
バリ人とスクールの日本人スタッフさんの柔軟さ、おもてなし精神やバリ文化など、バリ島ならではの良さがあり、感銘をうけました。そのときにバリ島の人々のように生きることができれば、人生の幸福度指数が上がるだろう、ここで何かをはじめたいと思いました。
私は日本でプロダクトデザイナーの経験があり、材質と商品企画~生産の知識がありました。
商品づくりは、供給を途切れさせないこと。バリ島は環境にやさしい自然の材質が途切れずに手配できる環境にあり、バリ人の手先の器用さをみいだし商品をつくることにしました。
商品をつくりたいと思ったときに、必要な情報をもつ人に出会い、紹介を受けたりして商品をつくることができました。
バリ島の店舗開業のきっかけ
以前より店舗をウブドでもちたいと考えていました。ウブドは、環境問題への意識やナチュラル&ヘルシーなことに対して意識の高い人々が、世界中から集まっています。しかし、店舗の立地条件などでなかなか実現しませんでした。
コロナ禍は日本にいました。出入国ができるようになり始めた2022年4月にバリ島へ里帰りしたときに、理想の店舗がみつかりました。
このときコロナ禍の影響で、かつての賑わったウブドはお店が沢山なくなり、シャッター街化していました。その中の店舗の1つに、テナント募集の案内をみつけました。ウブドのメインストリートとなるウブド通りと好立地だったので、すぐにここで店舗契約すると決断しました。
このときのバリ島訪問の目的は、里帰りで店舗探しではありません。思いがけない出来事でした。
はじめての店舗契約は審査落ち
テナント募集の案内をみて、すぐに店舗貸主に連絡をとりました。インドネシア語もできるので、インドネシア語で連絡しました。しかし、すぐに審査落ち。
はじめに、店舗の貸主からバリ人であるかどうかの質問をうけました。バリ人の妻と結婚しバリヒンドゥー教徒でもあるので、バリ人であると答えました。
その後はバリ語で会話をされ、バリ語が出来ない私はバリ人でないと判断されてしまい、店舗契約の話に至りませんでした。
バリ人であるかどうかの判断は、まずバリ語ができるかどうか。インドネシア語はインドネシアの公用語で、バリ島では全く異なる言語のバリ語を話します。
貸主はバリ人。バリ島文化が色濃いウブドとなると、バリ島のウブドの文化や風習に調和できるバリ人への店舗貸しで考えていたようです。
このときばかりは、いくらバリ島の文化やバリ人を愛していても、自分は外国人でバリ人ではないと痛感しました。日本人だけの力で、店舗を契約するのは難しいです。
バリ人を頼るしかない!
このタイミングでしか、好立地の空き店舗はみつからないと思いました。どうしても審査おちした店舗が諦められず、バリ人の妻のお義母さんに貸主への連絡をお願いしました。
バリ語を話すバリ人なので、店舗の視察もすぐに受け入れてもらえました。その時点では私の存在は全て伏せてもらいました。店舗の視察はお義母さんのみ。お義母さんには、アプリ電話のビデオ通話で、店舗の内装をバリ語で中継してもらうようお願いしました。
お義母さんが視察を終えた後、義息子である私の話を貸主に話してもらい、「事業内容」「バリ人ファミリーの存在」などの信用があり、店舗契約をすることが出来ました。
在住者からのアドバイスは大切
現地法人をしている先輩バリ島在住者のアドバイスは、大変参考になりました。
先輩の方々からアドバイスのひとつに、契約時はNOTARIS(ノタリス・公証人役場)で、契約書をきちんと作成することをいわれました。現地開業でトラブルを防ぐためにも最初が肝心だからです。
NOTARISが作成した契約書がインドネシアの法律どおりに作用するかというと、そうでもないこともあります。しかし、正式な契約書があるほうが理不尽な問題などに対して、様々なリスク回避のための安心材料となります。
求人で大切にしたこと
店舗には、店舗スタッフが必要です。SNSの求人募集チャンネルに投稿し、20名の応募がありました。
求人と面接でこだわったことは、
・一流のブランドイメージづくりとして、バリ島内の平均給料より少し上の金額で求人
・「勤務可能な時期」に対しての回答
・面接中に「仕事では嘘はつかないで」と仕事におけるポリシーを伝えた
「可能な入社時期」に対しての回答は重要です。在職中にも関わらず、「今すぐ働けます」と回答する人は採用基準から外すつもりでいました。なぜならば、バリイズムで働いてもらった際に、他の仕事をみつけて「今すぐ退職」されても困るからです。
バリイズムで働くスタッフには嘘をついたり、無責任なスタッフはいません。私たちのブランドに誇りをもって働いてくれています。
スタッフを信頼すること
私は、日本とバリ島と2拠点生活をしています。
バリ人に、お金など全てを任せることに不安がありました。しかし、この不安は偏見だと一緒に働くうちに気が付きました。
開業当初は、スタッフの遅刻がありました。バリ島では祭事ごとで通行止めなどは日常茶飯事です。そのため、遅刻の理由は問わずに、「次は遅れないように余裕をもって家を出てください」と伝えるうちに遅刻がなくなりました。
スタッフたちの責任感は強く、自発的に行動してくれます。お金のトラブルもこれまでなく、現在は遅刻や理不尽な欠勤も全くありません。店内でメンテナンスが必要な不具合があれば、私がお願いしなくても業者の手配などしてくれます。
失敗しても怒ったり責めたりしないから「嘘だけはつかないで」という想いを最初に伝えたのと、私自身もバリ島の文化を理解しながら、築けた信頼関係だと思います。また、スタッフへ感謝の気持ちは言葉にだして伝えるようにしています。
開業してから大変だったこと
2023年2月にオープンして8か月経ちましたが、盗難や金銭相違などのトラブルが発生していないので特に大変だったことはありません。このことは、自分でも驚いています。
製造業者、スタッフなど、バリ島で関わる人々をリスペクトし、お互いに良い関係が築けているからだと思います。私は、彼らを大切に思っています。例えば、支払いに関しても何もかも安くなるようにせず、適正かつリスペクトを込めた賃金を払っています。
強いて言えば、バリ語などの言語の壁が大変です。
バリイズムを運営する本当の理由
このブランドと商品を通じて1番伝えていきたいことは、バリ島の自然と調和したライフスタイルです。豊かさの魅力があるからです。
商品を通じてバリ島に興味を持っていただき、多くの人にバリ島へ足を運んでいただくことが、私の使命と考えています。
バリ島の文化や自然の中で、サステナブルなライフスタイルを体験し、人生において豊かな気持ちと幸福感を感じてほしいと思っています。
2024年の2月に、バリ島の自然を体感していただくリトリートツアーを開催予定です。リトリートは定期的に開催予定です。概要はホームページなどで告知しますので、興味があればチェックしてくださいね。
店舗情報
ウブドのメインストリートにあります。
店名 | BALIISM Store Ubud |
住所 | Jl.Raya Ubud No.26,Ubud,Bali |
電話番号 | +62-859-3385-0526 |
営業時間 | 10:30-20:30(バリ島祝日除く) |
ウェブサイト | https://www.jp.baliism.asia/store/ubud |
最後に
「バリ島のライフスタイル」を伝えたい気持ちから、バリイズムの商品づくりと店舗を開業された長谷川さん。バリ島がただ好きでビジネスをはじめるのではなく、バリ島へ何が貢献できるかという点が、現地での起業と開業の原動力だと感じました。
今回は、主に店舗契約から雇用までを記事にしています。機会があれば、その他についてもお伺いしたいと思いました。
是非、バリイズムの商品でバリ島スピリットを感じてみてくださいね。日本では、エコ雑貨を取り扱うセレクトショップなどの小売店、ポップアップストア、オンラインショップで購入が可能です。
●その他、最新の情報はBALIISMウェブサイトで→BALIISM
*記事は、2023年10月のインタビューに基づきます。
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